パスポート写真は、少しでも写りの良いものを選びたい。
私はずっと、そう思っていました。
しかし、自宅で何度も撮り直して完成した「渾身の一枚」には、思わぬ危険が潜んでいました。
パスポートの写真と、実際の私の顔を何度も見比べられ、韓国の入国管理官からは、ついにひと言。
「写真と違うわね~」
きれいに写ることばかり考えていた私が、パスポート写真で大切なことに気づいた体験です🤣
人生初のパスポート写真は、見せたくない一枚でした
人生で初めて作ったパスポート。
完成したパスポート写真を見ると、髪はやや乱れ、服装もイマイチでした。
我ながら、
「嫌だなー。あまり人に見せたくないなー」
と思う仕上がりです。
空港でパスポートを提示するときも、写真を見られないようにコソコソ開いていた記憶があります。
係員の方は、毎日たくさんのパスポートを見ているので、私の髪型や服装など気にしていなかったと思いますけどね🤭
それでも当時の私は、パスポート写真を見られることが恥ずかしかったのです。
パスポート更新時は伊勢丹の写真館で撮影
次のパスポート更新では、同じ失敗を繰り返さないようにしよう。
そう決意した私は、評判の良い伊勢丹の写真館で撮影してもらいました。
さすがはプロです✨
友人や先輩からも、
「写真写りが良いねー」
と褒めてもらえる出来栄えでした。
この写真なら、もうコソコソする必要はありません。
空港でも、パスポートを堂々と提示していたように思います。
この経験から、私の中には、
「パスポート写真は、できるだけ写りの良いものを選ぶ」
という価値観が、しっかりと根づきました。
そして後に、少々やり過ぎることになります。
パスポート写真をスマホで自撮りすることに
コロナ禍が落ち着き、ようやく海外へ行けるようになった頃、新しくパスポートを取得することになりました。
今回は写真館へ行かず、自分の部屋でスマホを使ってパスポート写真を撮影することにしました。
まずは、お化粧です。
シミやそばかすを隠して、目はパッチリ大きく。
上品で優しい印象になるように、チークはどうする?
リップの色は?
ものすごく真剣です。
髪型は、無難にスッキリとまとめました。
洋服は、顔が明るく上品に見えそうなオフホワイトのブラウスです。
準備は整いました。
いよいよ、スマホで撮影します。
「もう少し口角を上げた方が良いかしら?」
「もう少し柔らかい表情で……」
「目力が足りないわね🤔」
もう一枚!
もう一枚!
何度も何度も撮り直し、ついに――。
奇跡の一枚が撮れましたーーー✨
とても素敵な自分。
自分じゃないみたい……。
この時点で、少し気づくべきでした。
しかし私は、ミョーな満足感に包まれていました。
パスポートセンターで「この写真で大丈夫ですか?」
完成した写真を持って、パスポートセンターへ申請に行きました。
すると、受付の方が写真を見ながら、
「この写真で大丈夫ですか?」
と念を押しました。
私は一瞬、
「きれいに撮り過ぎたかしら……」
と思いました。
それでも、自信を持って、
「はい!」
と答えました。
今思えば、受付の方は何かを感じ取っていたのでしょうか。
未来の私に、そっと警告してくれていたのかもしれません😏
約10日後、パスポートを無事に受け取りました。
最初のバンコク旅行では問題なし
新しいパスポートを持って、まずはバンコクへ行きました。
入国時も帰国時も、特に問題はありません。
旅行も楽しく終わりました。
なーんだ、大丈夫じゃない🥳
そう思っていたのです。
しかし、次に訪れたソウルで、奇跡の一枚のリスクに気づくことになります。
ソウルでパスポート写真と顔を何度も見比べられる
ソウルから帰国するとき、保安検査場の入り口で、係員にパスポートと搭乗券を見せました。
すると係員は、パスポートの写真を見て、私の顔を見て、また写真を見て……。
何度も見比べています。
写真。
私。
写真。
私。
このとき私は、ようやく気づきました。
奇跡の一枚、ちょっと危険かもしれない……。
入国できなかったわけでも、特別な確認を受けたわけでもありません。
それでも、パスポートを見せるたびに顔と写真をじっくり見比べられるのは、あまり心地の良いものではありません。
そして、またまたソウルへ行ったときのことです。
韓国の入国管理官から「写真と違うわね~」
韓国への入国審査を担当したのは、私と同年代くらいの女性でした。
その入国管理官も、パスポート写真と私の顔をじっくり見比べています。
そして、ついに言いました。
「写真と違うわね~」
きたかっ!
私は、とっさに答えました。
「歳を取ったし、疲れているの。今日はノーメイクです」
すると入国管理官は、笑いながら頷きました。
無事に入国できましたが、私の心にはミョーな緊張感が残りました。
きれいに撮れたはずのパスポート写真。
それなのに今では、その写真を見られるたびにドキドキしています🤣
パスポート写真は写りの良さだけで選ばない
それ以来、空港でパスポートを提示するたびに、
「また写真と顔を見比べられるかしら……」
と、少し緊張するようになりました。
あまりにも気になるので、パスポートを新しく作り直そうかと迷うことさえあります。
以前は、写りの悪い写真が嫌で、パスポートをコソコソ開いていました。
今は、写りが良過ぎる写真のせいで、別の意味でコソコソしたくなっています。
結局、どちらもコソコソです🤣
もちろん、パスポート写真でも、できるだけ素敵に写りたい。
その気持ちは今も変わりません。
しかし、
「とても素敵な自分! 自分じゃないみたい✨」
と思ったら、少し立ち止まった方が良いのかもしれません。
パスポート写真は、長く使う大切な本人確認用の写真です。
写りの良さばかりを追求するのではなく、本人確認に使う写真だということも忘れてはいけなかったな、と私はようやく気づきました。
次のパスポート写真は「ほどほどに素敵な一枚」に
次にパスポートを作るときは、盛り過ぎず、疲れ過ぎず、きちんと本人だと認識してもらえる写真にしようと思います。
写真館でプロに撮ってもらうか、自宅で撮るなら奇跡を起こそうと頑張り過ぎない。
目指すのは、
ほどほどに素敵な一枚。
パスポート写真には、それくらいがちょうど良いようです🤭
